あんちゃんの雑記

このブログは管理人が思いつくままに日々の日常,思ったこと,考察,趣味などをつらつらと書いていきます.

一つの指輪

突然ですけど,「指輪物語」という作品が好きです.

映画の「ロードオブザリング」の方だったら,誰もが名前を聞いたことがあるはず.

 

 

時々,無性に指輪物語に特化したwikiをサーフィンしたくなるんです.

今回は指輪物語のキーアイテムである,「一つの指輪」についてちょっと書いてみたいと思います.

 

まずは「一つの指輪」について.

映画三部作を通して,ホビット族 (小さい人)のフロドが持ってた金の指輪の事です.

(そもそも作品自体は指輪を捨てに行く物語です)

 

これはどんな指輪かというと,かつて世界を支配しようとした悪の親玉サウロン(映画だと炎の目)が自分の力を込めて作った指輪です.紆余曲折あって,指輪は長い間サウロンの下から離れていましたが,フロドの叔父ビルボが偶然にも拾ってしまいそれを譲り受けたフロドの時に「一つの指輪」であったことが判明しました.指輪は主人の下に帰りたがっており,その指輪を持つものを誘惑し自分の虜にして支配することでそれを達成しようと目論んでいます.ホビット以外の賢人達が持ちたがらなかったのは,指輪の誘惑に屈してしまうのを恐れたからです.

(ロードオブザリングを見ても,話がよく分からなかったって言う人は大体は指輪の効力が目に見えずにわかりにくいからだと思います)

 

 

さて,その指輪と共に一つの詩が歌われています.

 

三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、
 七つの指輪は、岩の館やかたのドワーフの君に、
九つは、死すべき運命さだめの人の子に、
 一つは、暗き御座みくらの冥王のため、
影横たわるモルドールの国に。
 一つの指輪は、すべてを統べ、
 一つの指輪は、すべてを見つけ、
 一つの指輪は、すべてを捕らえて、
  くらやみのなかにつなぎとめる。
影横たわるモルドールの国に。

 

元々サウロンは他の種族の王のためにいくつか魔法の指輪を作っていました.それを使って統治することで楽になるでしょうって.

ですが,真の狙いは配布した指輪を通じてその王を支配することで世界をわが物にしようとすることでした.一つの指輪はまさに指輪を支配するための指輪でした.ちなみに映画に出てくるナズグル(黒い衣服を纏った怖いやつ)は死すべき定めの人の子たちの9人の王のなりの果てです.

後は映画の冒頭等を見れば,指輪の経緯はわかると思います.

 

 

やっと,本題(感想)ですが,

この指輪の「人を誘惑させて精神的に蝕み,最後に奴隷にしてしまう」という力が強すぎるなぁって思ったという話です.誰にでも通用してしまうという汎用性がとても好きです.

 こんなに強力なアイテムは他にあるんでしょうか.欲望というものは全ての人が持っている感情だからほとんどの読者は想像はしやすく,いかに危険なものかというのが伝わるはずです.サウロンもよく考えてるなぁと感心してしまいます.

 

指輪に関してはもう一つお話したいことがありまして,この指輪を偶然拾ったゴラムまたの名をスメアゴルの役割も面白いと思っています.主人公であるフロドの前の前の持ち主がゴラムだったのですが,指輪がビルボの手に渡る時にビルボの情けによって殺されなかったのです.その後ゴラムはサウロンの手に落ちて指輪がビルボのとこに行ったことを白状させられたのですが,指輪物語が始まりました.

ある時,指輪の運び手のフロドはこうなってしまったのもゴラムのせいだと文句を言いましたが,その時に魔法使いのガンダルフが言った言葉が印象的です.

 

わしの心の奥底で声がするのじゃ。善にしろ悪にしろ、かれには死ぬまでにまだ果たすべき役割があると。そしてその時が至れば、(ゴクリを殺さなかった)ビルボの情は多くの者の運命を決することになるかもしれぬと

 

じつは前半にも生き物の生死に関して,「賢いものでも先々を見通せる訳ではないし,自由に命を授けることもできないわけでから軽々しく命を扱うなよ」って話をしています.

 

さて話を戻しますと,ガンダルフがほぼ直感でゴラムには役割があると信じていることです.ガンダルフは周りを指導する立場ですから普段はよく考えるタイプです.ですがなんかこう理詰めだけがすべてではなく自分の内なる声も時には信じられるという姿勢が格好いいなぁと思います.

もう一つは「生きる者には果たすべき役割がある」と言っているところです.今の社会(特に日本)は生きるための哲学というものに触れ合う機会が少なくなってるのが問題じゃないかなと思います.就活の時に自分が何をしたいのか分からないとか辛い時に「死」という選択を安易に考えたりと命を軽視したりとか…

自分が生きる理由が分からなくても,とりあえずは何か役割を果たすんだと無条件に信じるってのも一興ではないでしょうか.

いずれにせよ,前半の話を含めてもう少し現世での命を大切にする風潮が少し必要なのかなと思います.

…最後の方はよく分からないことを書いてますが,要は感銘を受けたってことです.